追い密着

 

追い密着

「追い密着」とは、
貼り合わせや、塗工直後よりも、時間経過や加熱により密着力(接着力)が増加していく現象を指します。
主に、ラミネート、コーティング、粘着剤分野で使われる専門用語です。

熱処理で追い密着が起こる主なメカニズム

① 残留溶剤・低分子成分の除去

コート層や接着層に微量残った溶剤・可塑剤が
→ 加熱で揮発・拡散
結果:界面の「※滑り層」が消えることで凝集力・界面接着力が向上
👉 電極コート、機能性コートでは最重要要因
※滑り層とは「密着を妨げる、低分子・低凝集の界面薄膜」

②高分子の分子運動性向上(Tg付近・以上)

熱処理温度が樹脂のTg以上になると、分子鎖が動きやすくなる
被着体(箔・フィルム)の凹凸へ再配列・再密着
結果:実効接触面積の増大
密着の「噛み込み」が進行
👉 初期密着が弱い系ほど効果が出やすい

③ 架橋・反応の進行

ウレタン系、エポキシ系、シラン系などでは
未反応基が熱で反応継続
架橋密度が増加
結果:凝集力向上
界面剥離 → 層内破壊へ移行
👉 「時間+熱」による典型的な追い密着

④ 界面の応力緩和・再配向

ラミネート直後:熱履歴差、線膨張差による内部応力が残る
熱処理により:応力緩和、界面が安定配置へ移行
結果:剥離しにくくなる

フィルム、金属箔の張力、最小10Nから
サンプル熱処理 A4から
連続熱処理、試作 3メーターから