熱膨張がもたらせる課題
熱処理では何と言っても一番に考慮の範囲に入れるべき部分なのが
熱膨張係数
熱処理に多いプラスチックと金属箔(アルミ箔、銅箔)の熱膨張係数、熱膨張率を表にしてみました。フィルムや箔が温度上昇することにより変化する長さを示すものが線膨張係数(線膨張率)、体積を示すものが体積膨張率と呼ばれます。線膨張率を3倍したものが体積膨張率となります。これらを総称して熱膨張係数や熱膨張率と呼びます。
プラスチックの熱膨張率は、金属に比べると一桁大きく、セラミックスに比べると二桁違ってきます。それほど熱によって長さと体積が変わってしまう素材なうえ、ガラス転移温度を境にして大きくなる材料も存在します。そのため、ガラス転移温度を挟んで低温側と高温側との傾き差が大きい材料ではガラス転移温度前後の温度範囲に分けて線膨張係数を求めることが必要になります。
熱膨張係数 | 線膨張係数 | ガラス転移温度 |
アルミ箔 | 23 | |
銅箔 | 16.8 | |
SUS410 | 10.4 | |
SUS304 | 17.3 | |
ポリイミドフィルム | NA |
|
PTFE | 10 | 115 ℃ |
PET | 70 | 69℃ |
熱膨張による変化量は、下記の式で求めることが出来ます。
我々の業界で多く使用されるアルミ箔は係数が意外に大きいのです。 アルミの膨張係数は23。これは気温が1℃上昇するに従い、1mあたり23.0μm(0.023mm)伸びる ということです。
酸化被膜がもたらす悪影響を
表面に形成される酸化被膜が腐食を抑え、安定の基礎となるのですが、200℃を境目に酸化の加速は著しくなり、分厚く変色した酸化被膜が形成され抵抗値が上がり接合力を弱めたり、電気を通さなくなったりと、安定を保つはずの酸化被膜が逆に機能低下の原因にもなります。それらをカバーするべく超高温でも極度酸化させない無酸素熱処理を窒素パージ工法を用いて新しく革新いたしました。
0.1%以下の酸素濃度
毎分〇〇〇literの窒素を送りこみながら0.1%以下を保つ環境と品質を厳格に管理するための沢山の知恵と工夫のセンサー、現場力から実現しています。
ロールtoロールで
銅箔は薄く巻かれている状態が主流ですが、高温炉は窒素ガスを充填して酸素と置換し、更に巻き戻し展開した材料が高温炉にインサートされる際の酸素の巻き込まれ対策も解決。薄い箔は4μから
連続240分(最大)
超精密モーターと制御で連続4時間が可能に、材料を巻き戻しながら、ロールtoロールの状態でおこないます。
熱処理(焼成加工)で解決できること
・残留応力トラブル
・結晶化(抵抗値の安定)
・導電膜の抵抗値を下げる
・加熱プロセスによるフィルム変形の対策
・平面性が出ないので製品性能が出ないなど解決
・打跡を解消する
・横段(よこだん)の解消
・残留溶媒問題
・脱水処理
・圧延油を熱で飛ばす
・熱収縮低減(応力を限りなくゼロに)
金属箔を軟らかくする ことも
事例を一つご紹介
その時の画像がこちら
樹脂の結晶化と熱収縮
熱収縮率を軽減させる為の「 やっかいな敵は張力」。ロールtoロールの搬送なので少なからず張力が掛かってしまいます。「ある程度、低張力なので軽減するんじゃないの~?」 いいえ、そんなことはありません。特殊な手法で少しの 張力をキャンセルすることに成功
残留応力とは
残留溶剤を揮発させる。
偏肉などのゲージバンドもアニール処理で解消!
材料が流れる方向(マシンディレクション)の張力を低くすることは、ロールtoロールの連続熱処理においては、困難な課題です、巻き戻しから引っ張って巻き取るので無理もないですが縦の収縮と大きく関係することから、可能な限り弱い張力制御がもとめられてきました。熱処理メンバーは日々研究の中から張力管理制御を繰り返し繰り返し調整することで最小10Nの張力でワークを管理することが出来ました。お試しください。
コーティングを焼き付ける
金属箔を軟らかくする
事例を一つご紹介
フィルム、金属箔の張力、最小10Nから
サンプル熱処理 A4から
連続熱処理、試作 3メーターから
熱処理には三つの方法があります
加熱ロールで材料に直接コンタクト焼成します
ロール加熱温度は最高500℃。
最大幅1700mm 長さ1mからの試験が可能です。
②フロートアニール(浮かした状態で焼成加工)
③バッチ炉 熱処理 (BOXに入れるだけの熱処理)
放り込むだけ!!
・ロール状のまま
・シート状を大量に
最高温度350°C±1°Cの高精度制御
昇温、高温設計自由 オペレートレスでコスト安!
量産までのプロセス
実績と収縮率の実力
実績
フィルム
・フッ素フィルム
→ PFA、ETFE、PTFE、FEP
・LCP(液晶ポリマー)
・PPS
・PET(ポリエステル)
・PI(特殊ポリイミド)
・透明PI
・PC(ポリカーボネート)
・PMMA(アクリル)
・COP
・COC
・PA(ポリアミド・ナイロン)
・メッシュ素材
複合材
・ITO/PET
・ハードコートフィルム
・粘着剤/フィルム
・フッ素コート/銅箔
・LCP/アルミ箔
・LCP/銅箔
・特殊コート/SUS箔
繊維(ファイバー)
・炭素繊維
・綿繊維
・セルロース繊
・合繊繊維
金属箔
・SUS箔
・銅箔
・アルミ箔
・ニッケル箔
・チタン箔
・メッシュ素材
・インバー
・アルミ箔/銅箔
・インコネル
ゲージバンドにも大きな効果
ゲージバンド、偏肉を解消!
(アニール加工)
ハードな折れ、シワもお任せください
このような偏肉、ナミナミ、しわしわ、折れがある原反もあきらめないで!
熱処理後は大きく改善しました!
思ったより苦労しましたが、アニールチームは流石です。その上、各工場から技術メンバーが集まれば何とかなります。
スピード力とメンバーの知恵、知識、実績がものをいいます
実績
フィルム
・フッ素フィルム
→ PFA、ETFE、PTFE、FEP
・LCP(液晶ポリマー)
・PPS
・PET(ポリエステル)
・PI(特殊ポリイミド)
・透明PI
・PC(ポリカーボネート)
・PMMA(アクリル)
・COP
・COC
・PA(ポリアミド・ナイロン)
・メッシュ素材
複合材
・ITO/PET
・ハードコートフィルム
・粘着剤/フィルム
・フッ素コート/銅箔
・LCP/アルミ箔
・LCP/銅箔
・特殊コート/SUS箔
繊維(ファイバー)
・炭素繊維
・綿繊維
・セルロース繊
・合繊繊維
金属箔
・SUS箔
・銅箔
・アルミ箔
・ニッケル箔
・チタン箔
・メッシュ素材
・インバー
・アルミ箔/銅箔
・インコネル