アルミ箔アニーリングに期待されること
アルミ箔には圧延油。フィルムやシートには製膜後、残留応力が内在しているため、塗工やラミネートの熱入れで変形が生じることがあります。そこで、変形が生じるよりも若干低い温度に加熱することにより、この残留応力が除去され防止できます。完全なアニーリング効果が要求される場合には、加熱後の徐冷が大事です。
アルミ箔の圧延油や次
工程の熱処理による残留
力トラブルを事前にアニールや
クリーンアニーリングすることで解決。
熱処理(焼成加工)で解決できること
・残留応力トラブル
・結晶化(抵抗値の安定)
・導電膜の抵抗値を下げる
・加熱プロセスによるフィルム変形の対策
・平面性が出ないので製品性能が出ないなど解決
・打跡を解消する
・横段(よこだん)の解消
・残留溶媒問題
・脱水処理
・圧延油を熱で飛ばす
・熱収縮低減(応力を限りなくゼロに)
材料が流れる方向(マシンディレクション)の張力を低くすることは、ロールtoロールの連続熱処理においては、困難な課題です、巻き戻しから引っ張って巻き取るので無理もないですが縦の収縮と大きく関係することから、可能な限り弱い張力制御がもとめられてきました。熱処理メンバーは日々研究の中から張力管理制御を繰り返し繰り返し調整することで最小10Nの張力でワークを管理することが出来ました。お試しください。
フィルム、金属箔の張力、最小10Nから
サンプル熱処理 A4から
連続熱処理、試作 3メーターから
熱処理から産み出される新機能
コーティングを焼き付ける
600℃の超高温、240分の長時間処理で【コーティングを焼き付ける】という要求も満たします。更に熱処理に関する難題を解決するべく、各工場から技術者集結しチームを発足。皆さまの次世代へと繋がる、研究開から量産のブレークスルーを目指します。
熱処理から産み出される新機能
金属箔を軟らかくする
金属箔を処理する目的として【焼きなまし】があります。焼きなましとは、素材の内部歪みを取り除き、微細な組織を加熱・冷却することにより軟化させ、目的の強さ、軟らかさを得ることができ、各加工工程の品質安定、向上に繋がる処理です。MSRでは、最高温度600℃、金属箔の酸化を防ぐために低酸素雰囲気での処理でそれらを実現しています。
ニッケル箔や特殊合金など、比較的硬い金属箔をカットや抜き加工する際に「カット端部の切れ味が悪い」「精密部品の抜き加工で精度が安定しない」などお悩みをお聞きすることがあります。そのお悩み、焼きなまし(アニーリング)で解決できます!
事例を一つご紹介
先日、プレス加工業者の方から、寸法精度が出なくて困っているとお問合せいただきました。製品規格公差は±0.03mm。プレス型の形状や刃の材質を変更したが、どうしても寸法がバラツキ、公差外のものが発生してしまう。ユーザーへの納期も迫っていたので、早くどうにかしないと・・・ということですぐに焼きなましに取り掛かりました!!最適な条件を見出すまでに少し時間はかかりましたが、3ゾーン炉の加熱温度制御、処理時間、そして徐冷を絶妙にコントロールすることにより満足するものができました。プレス加工後の精度も非常に安定し、無事高品質のものを期日までに納めることができた、とお電話いただきました(^^)/
金属箔 再結晶化
金属箔の再結晶化とは、金属箔の結晶構造が変化し、新たな結晶粒が
成長する現象です。これは、金属箔が屈曲や加熱などの外力によって変形した際に起こります。変形に伴い、金属箔の結晶構造が乱れ、新しい結晶粒が発生します。これにより、金属箔の機械的特性や熱伝導性が変化する場合がある。
熱処理には三つの方法があります
①コンタクトアニール(材料に直接コンタクト)
言わばアイロンですね
加熱ロールで材料に直接コンタクト焼成します
ロール加熱温度は最高500℃。
最大幅1700mm 長さ1mからの試験が可能です。
フロートアニールと違って材料をロールにグリップ(固定)しながらのアニール処理なので
ダレやゲージが無く非常に綺麗な状態が保てます。その反面、ロールにコンタクトしながら熱処理しますので応力緩和の効果はフロートタイプに比べると少し劣ります。窒素による酸素パージアウトが必要な場合は下段のフロートアニールにて対応します。
②フロートアニール(浮かした状態で焼成加工)
窒素気流条件対応
③バッチ炉 熱処理 (BOXに入れるだけの熱処理)
放り込むだけ!!
・ロール状のまま
・シート状を大量に
最高温度350°C±1°Cの高精度制御
昇温、高温設計自由 オペレートレスでコスト安!